パチンコ

学生の頃は良くパチンコをした。暇だったのだ。

左手に球をつかみ親指の爪で球を入れる。
そのタイミングで右手でばねを打つ。天釘の少し手前を狙う。
これをいかに早く正確にこなすかが腕の見せ所だった。

これが電動になりパチンコをやめた。
何もすることがなくただボ～っと板面を見ているだけのゲームに面白味を
感じなかった。店と機械に遊ばれているようだった。

その後時間潰しにほんの２，3回やったことがある程度で今の「仕組み」は
全く分からない。

時折「パチンコをしますか」というアンケートが来て「たまに」と答えると
北斗の拳がどうのこうの、リーチとかMAXとか回転数とか訳の分からない
質問が並ぶので途中でギブアップ。

先日の車の点検が３０分ほどで出来ると言うのでその間の時間潰しに
隣のパチンコ屋に入ってみた。
そこは非常に大きな駐車場を持ち車は昼間から常に満杯。
中はぼつぼつ空き席がある程度で混んでいる。
この辺は３交代の勤務が多いので昼間に遊ぶ人は多い。

物凄い騒音が耳をつんざく。
この音が良く外に漏れないもんだ。防音はしっかりしている。

スタッフの女の子が可愛く挨拶も愛想もよい。
彼女らは一日中この騒音の中に居て大丈夫なんだろうか。
かっては怖いお兄さんがうろうろしていたもんだが今はお姉ちゃんだ。

「ドル箱」と言うのが積み上げられて景気が良い。

台を見ると色々な数字が上に点滅している。
これが何を意味するか分からず圧倒されて手が出せない。

スロットならできるか、と思ったがみんなの慣れた手つきを見ていると
とても横に並んでやる気はしない。

景品交換所はコンビニみたいできれい。喫茶もある。
そう言えば入口の左にお食事処もあったな。
席まで出前をするらしい。トイレもきれい。

景品を現金に換える所もかっての薄暗くうらぶれた感じはなくとても
強盗には入れないような仕組みになっている。

そう、今のパチンコ屋は健康な遊技場で薄暗いひなびた所ではない。
タバコも全く気にならなかったし怖いお兄さんもいない。
豪壮な建物と広い駐車場。若い綺麗な女性スタッフ。

しかし一度で１万円は使うという賭博場。
子供を車中に放置する事件も後を絶たない。

う～ん。なんかギャップを感じるなあ。
久し振りに庶民の生活の一部に触れたようでちょっと興奮した。