桜の開花宣言に思う
東京の靖国神社の標本木に幾つかの花が咲いたから「開花を宣言
します」と気象庁の係官が言うと拍手が沸いた。
面白くて笑ってしまった。
「開花宣言」とか「梅雨入り宣言」とか「梅雨明け宣言」とか何の意味が
あるのだろう。
その時から桜が咲くわけでもなく梅雨になるわけでもない。
もうどこでも咲いているし吉野桜だけが桜ではない。
空梅雨とか言って宣言したからと言って雨が降り続くわけでもない。
日本人はこういう「けじめ」が大好き。
意味があろうが無かろうがとにかく「けじめ」をつける事を優先する。
旧暦を新暦にあてはめた24節気なんて全く意味が無いが季節の
風物詩としてその都度取り上げられる。
宣言されると何となく季節の変り目を納得して過ごせるのだろう。
自主性の無い事よ。「権威」に保障されないと落ち着かないのか。
ここへ来て色々な種類の桜を見ることが出来た。
河津桜、大島桜、富士桜などなど。
河津桜が早く、長く咲くので吉野桜の開花に余り感動
しなくなった。
私としては富士桜(写真)の可憐さが好き。
「花冷え」という言葉には春を迎える最後の寒さという雰囲気があって
好きだ。花冷えのある年は桜が長持ちする。
この花冷えの為今年も開花は予定より遅れ、長く咲くだろう。
何時だったか開花の時にしっかり冷えて4月下旬まで咲いていた事が
あった。誰も見向きもせずいい加減に散れよ、という想いだった。
今年は4月の入学式までは持って欲しいと思うのだが・・・。
適当に散るのが桜。「花吹雪」という言葉も良い。
日本語は表現が多様でいいがそれで苦労する。
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